過料決定及び即時抗告のご報告
昨年12月16日付けで、東京地方裁判所より特措法の命令違反を理由とした過料決定の書面が届きました。
東京都からの命令は第3回緊急事態宣言中である、2021年5月18日からの命令(23店舗)及び5月27日からの命令(3店舗)の2件でしたが、通常営業継続を行った26店舗すべてに対し、それぞれ特措法で定められた過料上限である30万円(計780万円)が科せられました。
本件の措置命令が出た際、特措法の当社の顧問弁護士および東京都に対しての違憲訴訟弁護団に確認した所、断言はできないが、という前提でしたが、「措置命令書が会社に対して出ていることを鑑みると、営業を継続した場合2つの命令に対しての違反を行うことになり、過料が科せられた場合、最大で60万円」ということでした(同じことを東京都に質問した際も、同様の回答でした)。
しかし、今回の書面では、命令に対してではなく、対象施設に対して過料が科されております。
当社といたしましては今回の決定に対し不服を申し立てるため、本日1月4日、即時抗告を行うことになりました。
過料決定に至る、これまでの経緯といたしましては、
・2021年4月28日付け及び5月12日付け書面にて、小池東京都知事より新型インフルエンザ特措法45 条による休業と使用制限についての要請。
要請に従わないことについての「弁明及び意見について」書面を東京都に提出。
・2021年5月18日及び5月27日、都知事より特措法45 条による「休業命令」「時短営業と酒類販売停止の命令」が出る(計26店舗)。
・同日「通常営業継続のお知らせ」をHP上に掲載。
※ここまではHP等ですべて公表をしております。
・東京地方裁判所より2021年10月12日付け書面「求意見書」が到着(東京都からの過料通知に対し、当社の意見陳述を求めるもの)。
・その後、10月25日付けで「求意見書」に対する「回答書」を、意見書を添えて送付。
意見書の内容は、
①特措法45条要請に応じない「正当な理由」があったこと
②東京都が「正当な理由がない」とした判断基準が開示されていない事
③東京都の手続きに瑕疵があったこと
④当社への命令は違憲・違法であり、無効のため過料を科すことができない事
以上を記載しました。
そして2021年12月16日付け「(過料)決定」書面到着、となったものです。
「決定」書面には当社の意見を踏まえた上で、なぜ裁判所が過料決定に至ったかが記載されています。
しかしその内容は、東京都が行った学識経験者の意見徴収において出た意見である、
「飲食店への休業要請・時短要請は極めて重要な感染抑制策である」
「(要請に応じる事業者に対し)不公平感を生じさせ、緊急事態措置自体の実効性を低下させかねない」
といった内容を元に、
「新型コロナウイルス感染症発生の状況及び学識経験者の意見に照らせば」当社の意見①~④は「前提を欠く」ものとし、過料の決定がなされました。
これは東京都側の意見を追認しただけの内容であり、承服できるものではありません。
今回の過料決定に関しましては、あくまでも現在係争中である東京都を被告とした違憲裁判とは全く別の案件ではありますが、当該裁判で意見書を書いていただいた京都大学教授である藤井聡先生の試算では、当社が2021年3月18日から21日東京都の命令に従った際、26店舗が4日間時短営業プラス酒類提供の中止を行った事により、新型コロナウイルスの新規感染を抑制できたのは「約0.081人」であったという結果が出ております(この4日間の時短営業・0.081人のために、当社は約2千万円の損失を出しております)。
それに対し、都側の学識経験者の主張するところである「飲食店への休業要請・時短要請は極めて重要な感染抑制策である」ことに対するエビデンスは、これまでのところ一切出てきてはおりません。
ほとんど意味がなかったと思える時短命令を、エビデンスもない学識経験者の言葉だけで認め、当社の主張が退けられたことについては、納得できません。
これらの点を踏まえ、今回の過料決定に対しての不服申し立てのため、即時抗告行い、当社が正しいと信じる意見を、最後まで主張し続ける所存です。